ギヤマン

意識づけされた私の記憶は 端末に張り付いて
脳と声と外界と結びつく
分離した結晶 頭を溶かすは
薄靄の体液か それとも 水面に浮かぶ雲か

後ろに項垂れて喉仏は天を仰ぐ
空気の密度は濃くなるのに
現実の深度は薄くなる

秒針に沿って消える記憶との対話に
なんの意味があるのか
何にせよあなたにも遠すぎる声
残す意味は無いでしょう

ひび割れた皮膚にはめこまれた
朱い玻璃 私のものだわ
うだつの上がらない日々に蔑ろにされたの